決算書のざっくりポイント〜貸借対照表〜

 

決算書とは

決算短信有価証券報告書のこと

 どちらも中身の数字に大きな違いはない

 有価証券報告書のほうが読みごたえある

 

◎決算書のざっくり構成

貸借対照表(B/S)

損益計算書(P/L)

•株主資本等変動計算書

•個別注記表

キャッシュフロー計算書

など

 

なかでも重要なのは財務3表と呼ばれる

貸借対照表損益計算書キャッシュフロー計算書の3つ

 

今回は投資する上での貸借対照表のポイントを

ざっくり解説しようと思います!

 

 

貸借対照表のポイント 

特に、①と②は絶対見て欲しいです。

 

流動資産、現預金に対して負債総額、有利子負債がどれぐらいか

 ※有利子負債=短期借入金+長期借入金+社債

 

②前年と比較して大きな変化はないか

 

③資産のなかで、前年と全く同じ金額が計上されている科目がないか

 

ほかにも

・同業他社と比べて大きく乖離していないか

棚卸資産は多すぎないか

・資産に計上されているが現金にならないもの

(前払金、前払費用、繰延税金資産など)を差し引く

なども見れるといいです。

 

株式会社ペッパーフードサービスの例

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青枠:資産

赤枠:負債

緑枠:純資産

 

①現預金2,469M(流動資産7,486M)<有利子負債8,257M(負債総額22,862M)

▶︎手元の現金よりも有利子負債が多く、負債総額も流動資産に比べて3倍ほど

 支払い能力に懸念あり。

 

②現預金:6,732M→2,469M(△4,293)

 利益剰余金:1,210M→△2,125M(△3,335)

▶︎現預金の40億円はほぼ赤字+αで消えたものと推測

 

③該当なし

▶︎もしあったら、すでに焦げついている可能性が高く

 資産から差し引いて考える必要あり。

 

⇒以上から、かなり財務が悪化している印象

 投資はしないほうがよさそうと判断できます

 

株式会社Nutsの例

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青枠:資産

赤枠:負債

緑枠:純資産

 

①、②省略

 ③前渡金270M

 長期貸付金1,434M

 破綻債権114M

 長期未収入金275M

 が前年とまったく同じ金額で計上

▶︎投資勘定は貸倒引当金が2,074M計上されていますが

 前渡金はそのまま資産となっており、資産から差し引く必要があります。

 

・前渡金の考え方について

 前渡金は商品を(特に海外から)仕入れる際に、先に支払った代金のこと。

 将来的には棚卸資産(商品)になります。

 

 Amazonで商品を注文したら、商品が届く前にお金を払ってますよね

 Amazonだと2〜3日後には手に入れられるので資産とみなしていますが

 仮に、1年前に注文したものがまだ届かないとなれば

 商品が手に入る可能性は低く、資産としてみれないということです。 

 

まとめ

ざっくりですが、これだけでも崖っぷちの企業を見抜き

無駄なリスクを取らないで済むと思います。

財務が悪い企業を例に出しましたが、反対に財務がよくなっている

企業を見つけたら、積極的に投資する後押しにもなります。

 

 

決算書の読み方でおすすめの本

・初心者〜中級者向け 

カラーでイラスト豊富でわかりやすい。同業他社の比較が面白い

 

・中級者〜上級者向け

全然ざっくり分からない。特に後半は難しい。

投資するのに大事そうなところにポイントをしぼって読むといいかも

 

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